【最優秀賞受賞】AI活用教育賞2026にて「源内AI近藤にこる版デジタル庁OSSベース生成AIアシスタント」受賞
2026年8月2日、株式会社EdFusion代表取締役の近藤にこるが、第4回AI活用教育賞2026「次世代クリエーター部門」において、最優秀賞を受賞しました。
今回応募した作品は、デジタル庁がオープンソースソフトウェアとして公開しているガバメントAI「源内」をアレンジし、子どもや若者、地域で活動する人たちが使いやすい形へアレンジした生成AIツールです。

AI活用教育賞は、子どもたちがAIの特徴を理解し、自分で考えることを前提に、「AIをどのような場面で、どのように活用すればよいのか」を学ぶ機会を広げることなどを目的とした教育賞です。
18歳以下を対象とする次世代クリエーター部門では、「創造性とユニークさ」「AIの使い方の分かりやすさとまねしやすさ」「社会やみんなに役立つこと」「安心して使える工夫とルール」などが選考基準として掲げられています。2026年8月2日に、TOSSサマーセミナー内で発表・表彰式が行われました。 ただけたことを、大変うれしく思います。
ガバメントAI「源内」とは
「源内」は、一つの生成AIモデルの名称ではありません。
デジタル庁が、政府職員が安全・安心に生成AIを活用できるように構築・展開している、生成AIの利用環境です。
政府職員によるAIの日常的な活用を広げ、行政業務の質の向上や効率化につなげることが目指されています。デジタル庁は、2026年度中に全府省庁の約18万人の政府職員が生成AIを利用できる環境を整える予定としています。 4月24日、デジタル庁は「源内」の一部を、商用利用も可能なライセンスのもと、無償のオープンソースソフトウェア、いわゆるOSSとして公開しました。
公開された内容には、「源内」のWebインターフェース部分のソースコードや構築手順、一部のAIアプリケーションの開発テンプレートなどが含まれています。 は、簡単に説明すると、ソフトウェアを動かすための設計図にあたるソースコードが公開され、定められたライセンスの範囲内で、利用、改変、再配布などができる仕組みです。
デジタル庁は、OSSを公開する目的として、地方公共団体や政府機関が似たAI基盤をそれぞれ一から開発する重複を防ぐことや、社会全体の開発コストを削減することを挙げています。
国が作った基盤を出発点として、自治体、学校、企業、エンジニア、そして次世代が、それぞれの目的に合わせて新しい活用方法を考え、社会全体で育てていくための取り組みでもあります。

15歳の私も、オープンソース開発に挑戦
今回の開発では、AIを活用したプログラミングツール「Cursor」を使いました。
もちろん、最初からすべてのコードを理解し、自分一人だけで開発できたわけではありません。
日本DX地域創生応援団のエンジニアの方々に教えていただきながら、実際のコードを確認し、分からない部分を質問し、AIとも対話しながら、少しずつ機能を作っていきました。
日本DX地域創生応援団では、デジタル庁が無償公開した「源内」の改変を進め、利用者からアイデアや改善要望を集めながら、より使いやすいフォーク版へ進化させる取り組みが行われています。2026年5月には、官公庁や自治体職員などを対象とした「自治体AI研究会 源内」が開催され、近藤にこるも登壇しました。 て強く感じたのは、AI時代の開発では、「最初からすべての技術を持っていること」だけが重要なのではないということです。
AIは、人間の代わりにすべてを完成させてくれる魔法ではありません。
しかし、自分の思いや課題意識を形にするまでのハードルを、大きく下げてくれる存在です。
独自機能1 地域活性化「自分の強み診断」
今回の近藤にこる版では、源内をベースに、二つのオリジナル機能を追加しました。
一つ目は、地域活性化「自分の強み診断」です。
「地域のために何かしてみたい」
「社会課題の解決に関心はある」
「ボランティアや地域活動に参加したいけれど、自分に何ができるのか分からない」
そんな人が、自分の住んでいる地域、好きなこと、得意なこと、これまでの経験、興味のある課題などを入力すると、その人の強みを生かして地域に貢献できる活動をAIが考え、レポートとしてまとめます。
例えば、
・ゲームが好きな中学生であれば、地域の観光地や歴史を題材にしたゲームを制作する。
・高齢者との会話が好きな人であれば、地域の昔の出来事を聞き取り、記録として残す。
・絵を描くことが好きな人であれば、防災情報や行政の難しい制度を、子どもにも伝わるイラストにする。
このように、「地域活性化」という大きくて難しそうな言葉を、その人が今日から始められる具体的な行動へ変えていきます。
この機能によって、AIが正解を決めるのではなく、自分自身の可能性に気づき、最初の一歩を考えるためのきっかけを提供したいと考えました。

独自機能2 AIプロンプトメーカー「アイデア出し編」
二つ目は、AIプロンプトメーカー「アイデア出し編」です。
生成AIを使って良いアイデアを出すためには、解決したい問題、対象となる人、利用する場面、実現したい未来、守るべき条件などを、AIへ適切に伝える必要があります。
ところが、AIを初めて使う人に「自由にプロンプトを書いてください」と伝えても、多くの人は手が止まってしまいます。
そこでこの機能では、利用者が画面上の質問に順番に答えていくだけで、アイデア出しに必要な条件が整理され、AIへ入力するプロンプトが自動的に作成されます。
対象は誰なのか。どのような問題を解決したいのか。なぜ、その問題を解決したいのか。
こうした質問へ答えることで、自分の頭の中にある曖昧な考えも、少しずつ言葉になっていきます。
さらに、一度プロンプトを作って終わりではなくAIとの壁打ちを行いながら、より良いプロンプトへ改善していくことができます。
この機能で大切にしたのは、AIに考えることを丸投げするのではなく、AIとの対話を通じて、人間自身の考えを深めることです。

「国が公開したAIだから絶対に安全」ではない
今回、源内を活用した大きな理由の一つが、「安心」と「信頼」を重視したAI活用を広げたいと考えたことです。
源内は、政府職員が安全・安心にAIを活用できる基盤として、デジタル庁が開発と展開を進めてきた生成AI利用環境です。OSS公開によって、どのようなソースコードを利用しているのかを確認し、目的に応じて改変できることも、大きな特徴です。 解してはいけないことがあります。
デジタル庁が公開したソースコードを利用しているからといって、それをもとに作られたすべてのサービスの安全性が、自動的に保証されるわけではありません。
安全なAI活用には、ソースコードだけではなく、実際の設計、運用、利用方法、教育が欠かせません。
だからこそ私たちは、「国が作ったから安心」と説明して終わるのではなく、何を入力してよいのか、AIの回答をどのように確認するのか、最後は誰が判断するのかまで含めて伝えていきたいと考えています。
AIの回答は、必ず正しいとは限りません。
事実と異なる内容を生成することもあれば、利用者の意図を誤って理解することもあります。
AIを信じ切るのでも、危険だから使わないと遠ざけるのでもなく、特徴と限界を理解し、人が責任を持って活用することが重要です。
受賞で終わらせず、実際の社会へ
今回のツールは、コンテストへ応募するためだけに開発したものではありません。
すでに、自治体や議会、地域づくりの現場へAI活用を届ける取り組みも始めています。
2026年7月13日には、京セラ株式会社みなとみらいリサーチセンター「INNOVATION SQUARE」で開催された「全国地方議会サミット2026」に登壇しました。
全国から地方議員、議会事務局職員、自治体職員、研究者などが集まる中、「中学生AI起業家が描く『地域の社会課題解決』」をテーマに、AIが地方自治や地域づくり、次世代教育にどのような変化をもたらすのかをお話ししました。 のは、AI活用の目的は、人間を必要なくすることではないということです。
情報収集や整理、文章作成、比較、アイデアの可視化などをAIが支援することで、人は、地域の方との対話、現場の確認、重要な判断、信頼関係づくりなど、人にしかできないことへ、より多くの時間を使えるようになります。
そしてAIは、議員や自治体職員、企業だけが使うものでもありません。
子どもや若者が、自分の住む地域について考え、アイデアを提案し、実際に行動するための道具にもなります。
子どもは、未来の社会を受け取るだけの存在ではありません。
今の社会を一緒につくる共創者です。
だからこそ、子どもたちにAIの操作方法だけを教えるのではなく、地域を知り、課題を見つけ、AIを使って考えを形にし、大人へ提案し、実際に試して改善するところまでつなげる必要があります。

AI時代に必要なのは、技術だけではなく「何を実現したいか」
今後、AIが存在しない未来を想像することは、ますます難しくなっていきます。
学校、企業、行政、医療、ものづくり、地域活動など、あらゆる分野でAIが活用されていくはずです。
そのときに重要になるのは、単に新しいツールの操作方法を覚えることではありません。
何を変えたいのか。
誰のために使うのか。
どのような未来をつくりたいのか。
こうした問いを、一人ひとりが考える必要があります。
日本は、これからAIやロボティクスなど、さまざまなテクノロジーによって社会の前提が大きく変わる時代を迎えます。
私は、日本が海外で生まれた技術をただ使うだけの国で終わるのではなく、次世代が自分たちの問いや価値観を持ち、技術を活用して新しい社会をつくる国になってほしいと考えています。
今回、15歳の私が国の公開したオープンソースを活用し、エンジニアの方々に教えていただきながら、一つのツールを形にできたことも、その可能性を示す小さな事例です。
年齢や住んでいる場所、これまでの経験だけで、挑戦できることを決める必要はありません。
最初から完璧なものを作ろうとせず、小さく試し、使う人の声を聞いて改善する。
その積み重ねによって、子どもや若者の「やってみたい」を、社会を動かす力へ変えていきたいと思います。
一人の挑戦が、次の誰かの希望になる。
子どものアイデアが、地域や社会の変化につながる。
AIを、人の可能性を奪うものではなく、一人ひとりの思いや問いを社会へ届けるための力にする。
そんな未来を、これからも多くの皆さまと一緒につくっていきます。
このたびは、素晴らしい賞をいただき、本当にありがとうございました。
引き続き、株式会社EdFusion、そして近藤にこるの挑戦を応援していただけますと幸いです。

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